足の引っ張り合いはおしまいに

浅草寺 雷門 2009年1月1日
松下電器産業寄贈の大提灯には、
今も「パナソニック」ではなく「松下電器」の表示が。

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どこの国と比べて日本の政治や外交が三流というのか疑問ですが、米国や中国・北朝鮮・韓国などの「したたかさ」や「ずる賢さ」は超一流でしょうね。今回の世界同時金融危機も、米国の滅茶苦茶な政策に端を発し世界中に広まりました。世界の国々は当初から滅茶苦茶なことなど分かっていても追随するしかなかった側面がありました。日本は1960年代以降ずっと「外需依存型」経済成長をしてきた国で、米国への輸出は欠かせない経済発展の要素でしたからね。新生中国も同様。まして、防衛でも米国依存している日本は、主張したくても出来ないワケがありました。そういった縛りの中で、日本はよく頑張ってきました。日本独自の技術力がものをいい、膨大な貿易黒字・個人資産を獲得。総額30兆円と言われるタンス預金。実際にはもっともっと膨大なのではないかと思いますが。1995年当時は6兆円弱だったそうです。今、このタンス預金が逆流する動きは鈍いでしょうが。

米国のオバマ次期大統領にしろ、歴代の米国大統領にしろ、政治家としても人間としても立派かどうかは疑問ですが、米国民と米マスコミは日本のようにただただ政府の「足を引っ張る」ことをしない。日本の場合、マスコミが世論を扇動するように、政府のやることなすこと叩きまくる。言葉狩りに終始したり、枝葉末節にこだわり足を引っ張る。野党の政治家もこれを利用していい気になって便乗する。これではただの足の引っ張り合いに過ぎません。国や国民のことを考えず、政局にして権力闘争をしているだけでは、政府も国も国民も共倒れとなってしまう。まずは、マスコミがそういったことをやめよ。

周知のように日本は、製造業以外のところで内需拡大を図れる可能性が多大にありますね。環境・医療・福祉・介護など雇用を必要としています。官僚の天下りなど税金の無駄遣いを廃して、そういったところに財政投資をしてほしい。もちろん中小企業を潰さない工夫も緊急にしてほしい。欧米の金融業が総崩れになった今となっては、モノ作りの産業構造の日本は時代遅れではなかったということ。一時、日本は乗り遅れているとか言っていた経済学者がいましたが、金融立国を煽った責任はないのでしょうかね。

大晦日の「朝まで生テレビ」で分かったのですが、トヨタやキヤノンといった国際的大企業では、派遣社員は人件費から給与が支払われるのではなく外注費だというのです。「移民1000万人受入れ」政策など実際に施行されたら、外国人・日本人を問わず低賃金労働者は雇用調整の道具にされて人ではなくモノ扱いにされ、社会問題が噴出して取り返しがつかなくなるでしょう。日本の歴史には奴隷階級は存在しなかったわけで、こういった市場原理主義は本来、日本には馴染まないものなのです。日本は世界で唯一、社会主義を実践して成功した国という見方がありますが、それは政府が規制しながら民主主義国家なのに他国に比べて平等な社会を実現したからです。格差がほとんどない。格差は今でも米国や中国の比ではない。やはり日本は、技術立国にふさわしいモラルを取り戻し、利潤を薄くしても従業員と消費者を大切にするという従来の企業経営をしていってほしいものです。そういった経営を政府が支援し、国民全員が国の現実に責任を負うようになるといいですね。足の引っ張り合いは、もうおしまいにしましょう。

【コラム】あなたは世界最高ですか?
朝鮮日報 2009/01/02

昨年初めまで住んでいた東京都中央区佃に、「漆芸(うるしげい)中島」という店がある。はしや食器など、漆器の製造・販売をしている住宅街の典型的な小さな店だったが、店先に水とこんにゃくの入った器を置いているのが特徴だった。

 この店の自慢は、檀の木を削って作った「江戸八角箸」。名前の通り、八角形のはしだ。店では、このはしを「何でもつかめる世界最高のはし」と胸を張る。水を張ったこんにゃくは、この言葉を証明するため置いているのだ。はしの先まできちんと八角形に削ってあるので、誰でも濡れたこんにゃくがはしでつかめるようになっている。

 「面白い」と思い見ていたところ、その値段に仰天した。材料の檀の質により、はし1膳(ぜん)が3990円から1万3650円もする。しかも、店主が11代目と聞いて、2度驚いた。300年前から子々孫々、はしを作ってきたとは、「世界最高のはし」という言葉は、商売人の大げさな話として聞き流せるようなものではなかった。

 韓国の足元が揺らぎ始めた昨年10月、世界最高のすし職人にインタビューしたことがある。世界的なレストラン・ガイドブック「ミシュラン」で最高の三つ星評価を2年連続で受けた水谷八郎さんだ。水谷さんに、すしのすべてとも言える魚とコメに関する話を聞き、日本という国がさらに遠く感じられた。

 水谷さんは、自分で魚やコメ選ぶことはないという。「魚はなじみの魚屋の主人が選んでくれるし、コメはなじみの米屋の主人がいろいろな産地のコメを“黄金比”でブレンドしてくれる」そうだ。自身の「握り」の実力がどれだけ優れていても、魚屋の「世界最高の」魚を見る目と、米屋の「世界最高の」ブレンドの腕という基盤がなければ、世界最高にはなれないということだ。水谷さんのすし店も、魚屋も、米屋も、店の規模は決して大きくない。

 昨年7月、夏休みでソウルに行き、街でガッカリした。デコボコで泣いている街の大通り、継ぎ目が乱れた歩道のブロック、舗装してあるのにあちこちくぼんで水たまりができている道。今、暮らしている杉並区荻窪は東京都の中心にある町ではないが、そんな道路はめったにない。日本は道路を作る作業員も世界一なのか、それとも韓国の道路作業員の仕事がいい加減なのか。

 今、韓国も日本も経済危機に直面しているが、その内実は正反対だ。日本は「円高」、韓国は「ウォン安」で悩んでいる。言い換えれば、日本は上がりすぎた国の信用度と、韓国は下がりすぎた国の信用度と闘っているのだ。これは産業化以降、一貫した流れだった。1980年に2.6倍だった両国の通貨価値の差は、現在14倍まで広がり、韓国は通貨スワップ協定で日本に再び世話になっている。

 わたしたち韓国人はいつも「三流の政治」のせいにする。しかし、日本も政治家の実力と実績は客観的に言って三流だ。日本に住んでみると、はし店・魚屋・米屋・工事作業員の努力や実力が、韓国とは明らかに違うように思える。一部の政治家ではなく、国民全員が国の現実に責任を負っているのだ。

 外から見ると、韓国は相変らず米中日という不沈空母に守られている帆掛け船のようなものだ。虚勢を張らず、他人のせいにするのもやめ、今年はもう少しクールにそれぞれが自らを省みる必要があるのではないかと思う。今、韓国は10年前のアジア通貨危機時とは違い、自己反省が足りないように見える。だからこそ、もっと危ないかもしれない。

 

 

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