駄文・散文帳
2014年06月04日 (水) | 編集 |

危機感が煽られない危機 ~ 原発停止によるCO2排出増加
2014年06月03日  石川 和男

5月30日の読売新聞ネット記事によると、来月中旬に閣議決定される予定の2013年度エネルギー白書の全容がわかったとのこと。

<記事抜粋>
・原子力発電所の運転停止で電力会社が出す温室効果ガスが10年度から2年間で約30%増。
・日本全体の排出量も約8%増。
・「原子力政策の再構築」との目標も掲げ、原発再稼働を進める方針。
・電力会社の排出量が増えたのは、発電時に二酸化炭素を出さない原発の代わりに、大量排出する火力発電がフル稼働したことが要因。


記事にある温室効果ガス排出量の増加に関しては、経済産業省が昨年から試算を公表している。下の資料1にある「うち電力分」の 374 → 486 が約30%増を示している。これを今回の2013年度エネルギー白書に明記するという話。

エネルギー起源のCO2排出量が増えたのが原子力発電所の停止に伴う火力発電量の増加であることは、誰が計算しても同じ結果になる。CO2排出量の増加を原発再稼働の理由に挙げるのはけしからん、との声が必ず出される。

しかし、世界の常識に対して無責任に当り散らしても何ら解決にならない。福島第一原発事故以降、日本国内ではCO2問題への危機感は鳴りを潜めた感があるが、地球規模の議論では、CO2問題には危機感が満ち溢れている。

それをいかに抑制・削減していくかに、相当の力が傾注されている。今の日本におけるCO2問題は、危機感が煽られない危機である。こういうのが一番怖い。



原発停止で温室ガス、2年で8%増…政府白書
2014年05月30日 読売新聞ONLINE

 原子力発電所の運転停止で、全国の電力会社が出す温室効果ガスが10年度から2年間で約30%(1億1200万トン)増えたため、日本全体の排出量も約8%増の12億800万トンに膨らんだことを指摘。「(原発停止が)地球温暖化問題への対応に困難をもたらしている」と強調した。「原子力政策の再構築」との目標も掲げ、原発再稼働を進める方針も明記した。

 電力会社の排出量が増えたのは、発電時に二酸化炭素を出さない原発の代わりに、大量排出する火力発電がフル稼働したことが要因だ。

 白書は、東京電力福島第一原発事故について「国民に多大な困難を強いる事態を招いた深い反省を、政府と事業者は一時たりとも放念してはならない」と記した。


北半球CO2濃度、400ppm超える
2014年05月30日 毎日新聞

 気候変動の影響に関するレポートの発表から数週間後、米政府は石炭火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を制限する新規定を提案した。しかし、その直前に4月の大気中のCO2濃度が深刻な気候変動を示す指標である400ppmを超えていたことがわかった。

 26日、世界気象機関(WMO)は、主要な温室ガスとして知られるCO2の4月の平均濃度が北半球全体で400ppmを超えたと発表した。ニューヨーク市にあるNASAゴダード宇宙科学研究所の気候学者、ギャビン・シュミット(Gavin Schmidt)氏によると、これほど高いレベルが月全体で観測されたのはこれが初めてだという。

 WMOは、この400ppmという数値はCO2濃度が産業革命以来40%上昇したことを意味すると指摘している。

◆重大な影響

 工業分野の二酸化炭素排出が多いため、北半球におけるCO2濃度は南半球をいくらか上回っている。また、北半球には南半球に比べて陸地と植物が多く、二酸化炭素の季節変動幅が大きい。大気中のCO2濃度は5月頃にピークを迎えるが、その後、植物が成長期に入り、大気中から多くの二酸化炭素を取り込むようになると低下する。

 大気中の二酸化炭素量は、自然の周期の中で上下に変動する。長期的な上昇が続くのは、人間の活動による二酸化炭素の排出が原因だ。WMOは、2015年もしくは2016年までに地球全体の年平均CO2濃度は400ppmを超えるだろうと予測している。米国海洋大気庁によると、昨年の世界年平均濃度はおよそ395ppm。近年は、年に2~3ppmのペースで上昇している。

 シュミット氏によると、これまでに採取された最も古い南極の氷床コアから、現在のCO2濃度は少なくとも過去80万年間で例のない水準だということが判明した。コアに捉えられた古代の空気の泡は、過去80万年の間に氷期と間氷期が交代し、CO2濃度がおよそ180~280ppmの間で変動したことを示している。科学者らはその他の証拠とあわせ、数百万年前からCO2濃度が400ppmを超えたことはなかったと考えている。

 一方、地球全体の平均気温の上昇を産業革命前の平均から摂氏2度未満に抑えるため、世界の200カ国近くが2015年末までに対策を講じることに同意している。すでに地球全体の平均気温はおよそ摂氏0.8度上昇している。

 先月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気温の上昇を2度未満に抑えるにはCO2濃度を450ppm未満に維持しなければならないと警告している。もし現在のペースで二酸化炭素を排出し続けるなら、この閾値は20~30年以内に超えてしまうことになる。


CO2濃度の上昇で作物の栄養価が低下より一部抜粋
May 8, 2014   ナショナル ジオグラフィックニュース

 将来、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇すると、作物の栄養価が大幅に低下する可能性があるという、新たな研究結果が発表された。大量のフィールド実験データに基づく今回の研究からは、新たな課題が見えてくる。それによると、我々の社会は、将来の二酸化炭素排出量の増加と栄養不足という2つの問題を抱えていることになる。


「全国のほとんどの原発を止めたので、足りない電力をまかなうために石油やLNG(液化天然ガス)の輸入を増やした。この輸入増は昨年は3兆円を超え、今年は3兆8000億円と推定されています。毎日100億円を火力発電所で燃やしているようなものです。」
これは池田信夫氏の主張ですが、これが日本の現実です。

それなら、全国の原発の再稼働を進め、東海・東南海・南海連動型地震や首都直下型などの巨大地震に備えるための耐震工事に「毎日100億円」を充てることが先決でしょう。脱原発は、耐震工事が終了してからで良い。もちろん、原発に変わる代替エネルギーが確保できたらの話ですが。

脱原発で日本人は金も命も失うより抜粋
月刊誌『Voice』2012年06月22日藤沢数希

残念ながら、日本のテレビ局のプロデューサーや、大手新聞社の論説委員は、十分なアカデミックの教育を受けておらず、彼らは視聴者、読者のウケだけを考え、衆目の関心を引くセンセーショナルな極論をいう専門家やジャーナリストの声を大きくするだけであった。正しい情報を国民に知らせよう、国益のために真摯にエネルギー政策を議論しよう、などという考えはまったくなく、それはいまに始まったことではないが、筆者はとても残念だ。

結論を先にいうと、日本が原発を止め続けると、日本、つまり日本人は莫大な金を失い、そして多くの命も失う、ということだ。

まず、原発を止めることによる直接のコストは、原発を代替するための火力発電所の追加燃料費である。現状では原発を代替できる技術は火発しかない。化石燃料価格などによるが、この追加燃料費だけで年間3兆~4兆円ほどになる。国民一人当たり年間3万~4万円にもなり、日本の年間生活保護費の総額よりも多く、年間防衛費に匹敵する巨額の金が失われる。生活保護費は、国内での所得移転であるが、化石燃料の購入費は、富が中東などの産油国に流出していくだけである。実際に2011年度の貿易収支は4兆円以上の赤字となり、1979年度に記録された第二次石油ショックの3兆円の赤字を上回り、過去最大の赤字額となった。

反原発を唱える識者のなかには、地元対策費や今回のような放射能漏れ事故の賠償費を考えると原発は火発よりも高い、といっている者もいる。筆者は、あらゆるコストを考えても原発がやはりいちばん安いと考えているが、前提の置き方で、化石燃料を燃やす火発のほうが安くなることもありえる。しかし、この発電単価の話と、いまそこにある原発再稼働の話はまったく別物なのである。なぜなら、原発の発電コストのほとんどが発電所の建設費であり、核燃料費は発電コスト全体の1割にもならないからである。一方で火発の発電コストのほとんどが化石燃料費である。原発はすでに日本中につくってしまったので、いまからの発電コストを考えるときに、このぶんの建設コストは考えなくていい。これは経済学でいうサンクコストである。

つまり原発がすでに日本中にある状態で、将来のキャッシュフローをみれば、原発はきわめて安価に電気をつくり出せるのだ。それを止めて、中東から化石燃料を大量に買っているのだから、電力会社は膨大な赤字を垂れ流しているのである。原発を抱える北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、四国、九州の各電力会社の2012年3月期決算は、すべて記録的な赤字を計上し、総計で2兆2,000億円の巨額の赤字となった。これは遅かれ早かれ国民に転嫁される。

福島第一原発事故の東電の総賠償額は、風評被害などを含めると4兆5,000億円にもなる巨額なものとなった。しかし驚くことに、原発が再稼働できない問題で、中東などに支払った追加燃料費は、すでにこの総賠償額を超えているのだ。毎日、100億円単位の国民の富が、無責任なメディア、ポピュリズムに走る政治家たちにより、文字どおりに燃やされている。

それでは原発は、国民の命を危険に晒して、経済を優先させるための技術なのだろうか? 答えは否だ。WHO(世界保険機関)によると、世界では年間100万人以上が大気汚染で死亡しており、その半数が車の排ガス、3割程度が火力発電所からの煤煙が原因だといわれている。チェルノブイリ原発事故で死亡するかもしれないとされる4,000人を考慮しても、原子力の単位エネルギー当たりの死亡者数は約0.03人/TWhであり、火力発電所の約20人/TWhに比べて圧倒的に少ないのだ。

日本は環境性能が劣る老朽化した火力発電所を再稼働することにより、原発停止による電力不足を乗り切っている。筆者の推計によると、この化石燃料による大気汚染だけで、日本で年間数千人単位で呼吸器系などの病気での死者が増えることになる。福島では、誰も放射線によって死亡していないにもかかわらず、だ。

チェルノブイリの健康被害に関しては、膨大な医学研究がなされている。国連科学委員会とロシア政府が総括したレポートによると、現在までに放射能汚染の犠牲者は事故の収束に当たった作業員と汚染ミルクを飲んだ住民とで合わせて50人程度である。そして疫学的には、汚染された食品による小児甲状腺癌以外に、放射線によるいかなる健康被害もみつかっていない。先に述べたチェルノブイリの犠牲者数の4,000人とは、絶対数が少なすぎて疫学的には見出せないが、可能性としてありえるという計量モデル上の話である。

世界で唯一原爆が投下された広島・長崎では大量の放射性物質が撒き散らされた。しかも、当時は放射線に対する知識がまったくなかったので、原爆投下後に多数の人が広島に戻ってきてしまったのである。その結果どうなったか。

じつは、広島市民は日本でいちばん長寿になったのだ。広島市の女性は日本の全政令指定都市のなかでいちばん長生きする。日本の女性は世界一の平均寿命なので、広島市の女性は世界でいちばん長寿だということになる。なぜか。それは広島の市民には被爆者手帳が配られ、医療が無料化されたからである。そのため、広島で被爆した人たちは世界でいちばんの長寿となったのだ。

一方でチェルノブイリの原発事故では、広島・長崎の原爆により、放射線の健康被害がよく知られていた。旧ソビエト政府は、当初は原発事故を隠そうとしたのだが、西側諸国に発覚し、国際的な非難に晒されると、急にきわめて厳しい基準で住民を強制退去させた。そして、強制退去させられた住民は、平均寿命が短くなってしまったのだ。広島とは反対である。

原因は、鬱病による自殺とアルコール中毒の大幅な増加だ。強制移住によってコミュニティーが崩壊し、新たな生活に適応できない人びとのあいだで、精神的なストレスによる疾患が急増したのだ。そして、主にヨーロッパのメディアから流される科学的根拠の乏しい、放射能による恐怖を煽る報道により、住民の多くが不安に苛まれ、鬱病などを発症していった。皮肉なことに、放射線の知識がまったくなく、放射能汚染された地域に住み続けた広島市民は世界一の長寿になり、そのような広島の知識に基づき、メディアが過剰な反応をした旧ソビエトの人びとは精神疾患で大きく平均寿命を縮めたのだ。

無知、あるいは危険を煽ることで生計を立てているジャーナリストや一部の研究者らの無責任な言葉の数々が、チェルノブイリの住民を殺したのである。われわれは福島で同じ過ちを繰り返してはいけない。そして国民生活にとってきわめて重大なエネルギー政策を、目先の人気取りで歪めた政治家は万死に値する。



エネルギー問題と「地球の倫理」より一部抜粋
2014年05月20日 池田信夫blog

「原発ゼロ」にすると、化石燃料を増やすしかない。特に経済性から考えると、石炭火力が増えるだろう。それは電力会社にとっては合理的な選択だ。彼らも新たに原発を立地しようとは思っていない。「脱原発」なんてくだらない話で、このまま放置すれば、あと40年ぐらいで日本は「原発ゼロ」になる。

向こう100年の世界全体のコストを考えると、石炭は最悪の選択だ。中国だけで、石炭による大気汚染で毎年100万人以上が死亡し、炭鉱事故で8万人が死んでいるともいわれる。気候変動は、取り返しのつかない結果をもたらすかもしれない。
もちろん原子力にもリスクはあるが、どう比較しても石炭火力の健康リスクはそれよりはるかに大きい。石炭火力から出る放射性物質だけをとっても原発より多く、水銀や砒素も日本だけで年間数千人分の致死量が出る。使用ずみ核燃料は地下に貯蔵されるが、こういう有害物質は大気中に排出されている。



大飯原発についての幼稚な判決より一部抜粋
2014年05月22日 池田信夫blog

基準地震動を超える地震が来た5回のうち、地震で破壊された原発は1基もない。福島第一は基準地震動をはるかに超える大震災でも、緊急停止したのだ。事故の原因は、津波による予備電源の浸水である。したがって今回、福島と同様の事故が起こるかどうかの判断は、同じような津波に耐えるかどうかが基準だ。この点についてはすでに安全対策が施されており、判決も問題にしていない。

判決は「大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である」というが、もちろん不可能である。そんな巨大地震が来たら、福井市が全壊して裁判官が死ぬ可能性もゼロではない。そんな論理的可能性を心配していたら、日本中どこにも人は住めない。だから現実的なリスクを安全基準で定めているのだ。田舎の裁判所が、勝手に安全基準を変えることはできない。

これまでにもこの種の判決はたまにあったが、最高裁で確定するまで関電には判決に従う義務がない。そして最高裁では100%原告が負けており、今度も負けることは確実だ。今回のような幼稚な判決では、名古屋高裁でもくつがえるだろう。


 

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