駄文・散文帳
2013年05月11日 (土) | 編集 |


日本外しは日本の国益
2013年05月09日 宮島理

 通説と因果関係は逆である。歴史認識問題があるから日本外しが起きているのではなく、日本外しをするために歴史認識問題が利用されている。しかし、日本外しは日本の国益となる。150年ぶりに日本は朝鮮半島から手を引こう。

 訪米中の朴槿恵・韓国大統領が、歴史認識問題で日本を批判しまくっている。これについて、「過去の歴史問題を巡る日韓の対立が、米国の北朝鮮政策にも悪影響を及ぼす可能性が表面化した」 などという論調が目立つが、因果関係は逆だ。

 当ブログでも何度か書いてきたように、「靖国参拝でアジア外交、北朝鮮問題が停滞する」というのは大嘘 だった。過去には、靖国参拝などの歴史認識問題が、現在進行形の外交問題に影響を与えることはなかった。

 では、なぜ最近の韓国は、現在進行形の外交問題よりも、歴史認識問題を優先しているのだろうか。それは、韓国の政治家が発狂して、「北朝鮮よりも日本の方が脅威だ」と本気で考えているからではない。彼らは東アジア(中国・韓国・北朝鮮)から日本を除外し、主導権を握ろうと冷静に考えている。その上で、歴史認識問題を最大限に活用しているのだ。

 朴大統領は「これまで北朝鮮政策における当然の前提だった日米韓3カ国の協力にも疑問を抱いている」 という。さらには、米中韓による「戦略対話」も構想しているらしい。拉致問題で圧力路線を採っている日本は、韓国にとって邪魔な存在というわけだ。さらには、今後の東アジア外交を考えた場合にも、日本を排除したいと彼らは考えている。

 以前の韓国なら、日本からの経済協力が欠かせなかったので、歴史認識問題を現在進行形の外交問題と絡めることはしなかった。この時の韓国は、苦渋の選択で日本と交流していたはずだが、日本は鈍感にもそれに気づかずに「日韓友好」「韓流」などと言って韓国の感情を傷つけていた。歴史認識問題などよりも、友好を強要した罪でこそ日本は謝罪するべきだと思う。

 ところが、韓国が「世界の中心国家」となったことで、日本は韓国にとって不必要な存在となり、さらには邪魔な存在となった。李明博政権以降、韓国は戦略的に日本と距離を置こうとしている。

 朴政権でも、その戦略は続いている。韓国の目的は日本外しにあるのだから、目先の歴史認識問題を解決したつもりになっても、その次はさらに過去をほじくり返す。たとえば「問題は慰安婦だけではない。日本の戦争賠償は不十分だったからやり直せ」「豊臣秀吉による侵略を謝罪せよ」などというように、永久に歴史認識問題による日本叩きは続く。

 ここで日本が焦る必要はない。むしろ、日本が朝鮮半島から身を引くチャンスだ。

 そもそも、東アジア内の関係がここまでこじれたのは、アジアの盟主になりたいという誤った野心 が原因だ。アジア主義に基づいて、戦前の日本は武力を行使し、戦後の日本は経済力と“土下座力”を行使した。

 しかし、東アジアはもともと仲が悪い。近づきすぎないように適度な距離を取るのが、東アジア2000年の知恵だ。とりわけ、歴史的に冊封体制を拒絶してきた日本は、“野蛮国”の矜恃により、中国大陸や朝鮮半島と一線を画すべきである。

 日本が150年ぶりに朝鮮半島から手を引くことは、韓国の意向に沿うだけでなく、日本が本当にあの戦争に対して反省することにもつながる。「日本は中国大陸と朝鮮半島とは距離を置き、軍事的野心は当然のこと、外交的野心も一切抱きません」という気持ちを明確にする。その上で、日本は専守防衛を基本に防衛力を強化していけばいい。


 アメリカも、もし歴史認識問題が気になるというのであれば、日本を除外して米中韓で勝手にやればいいだろう。日本は朝鮮半島に関して、自国防衛を除いた一切のコストを負担する必要はない。さらに言えば、アメリカも朝鮮半島からは徐々に手を引いて、東シナ海や南シナ海に注力した方が効率がいいように思う。

 日米韓の連携を自明のこととして、歴史認識問題をめぐる政治家の発言ばかりをクローズアップする報道は、東アジアにおける日本の役割が終焉したという事実を無視している。日本の経済力が相対的に低下した今、中国大陸や朝鮮半島にコミットする根拠は失われた。だがそれは、東アジアのあるべき姿であり、海洋国家として生きる日本にとっては国益となるものだ。



朴槿恵大統領とオバマ大統領が初会談。双方に警戒感があり、様子見に終始より抜粋
2013年05月08日 ニュースの教科書編集部

米国が強くこだわっているのは、朝鮮半島の非核化であって、北朝鮮の非核化ではない。米国と韓国は現在、米韓原子力協定の改定をめぐって対立している。米国は核技術が韓国を経由して流出する事を警戒しており、韓国が独自にウラン濃縮や核燃料の再処理を実施することを望んでいない。結局、米韓首脳会談に悪影響を与えることを憂慮した韓国側が折れ、協定は現行のまま2年間延長されることになった(本誌記事「韓国の原子力産業に暗雲。相次ぐ原発トラブルと米韓交渉決裂で再処理も不可能に」参照)。

韓国も含めて、核開発を一切封じ込め、北朝鮮の経済開放を主導したい米国と、独自の対話路線と核開発を進めたい韓国で微妙な利害の対立があるのだ。

今回の首脳会談は、両国の方向性の違いが表面化しないよう、無難な範囲での意見交換に終始した模様。米国はすでに北朝鮮との独自交渉を始めている可能性もあり、今後は、北朝鮮の核問題をめぐって、韓国も含めた水面下での交渉が激しくなってくるだろう。



韓国の新大統領の訪米が、韓国系アメリカ人のロビー活動や韓国企業の宣伝によって、和気あいあいに華やかに見えましたが、実は対立している米韓原子力協定の改定などをめぐって、米韓お互いに様子見していただけであったことが報じられています。

核保有国以外では日本だけに「使用済み核燃料を集め、その中から核燃料のウランとプルトニウムを取り出す再処理工場」があるわけですが、韓国は米国に信頼されていないから同施設を持てない。70年代に核燃料再処理工場の建設を秘密裏に行ったためか、いまだに米国は韓国に許可を与えていません。非核兵器国では唯一、米国から核燃料の再処理を認められている日本に対して妬みも手伝って、とにかく使用済み核燃料再処理施設の建設を持ちたいらしい。しかし、核燃料再処理施設は原子力発電所で使用した核燃料の中からプルトニウムとウランを回収し、汚染度を引き下げる施設であり、稼働するようになると核兵器への転用が可能なプルトニウムを大量に確保できるようになる。常に冷静ではいられない韓国には危険過ぎる施設。

韓国では70年代に当時の朴正煕(パクチョンヒ)大統領が核兵器の原料にもなるプルトニウムを抽出する核燃料再処理工場の建設に秘密裏に乗り出し、米国側の強い反対にあって断念したとされ、米国側の韓国への疑念は根深いとの見方もあるようです。

ともあれ、「米国は韓国を通じて核技術が流出することを懸念しているほか、韓国の原子力産業全体の技術力がまだ途上であることなどを理由に、韓国による使用済み核燃料の再処理とウラン濃縮を禁止している。」ようです。


韓国の原子力産業に暗雲。相次ぐ原発トラブルと米韓交渉決裂で再処理も不可能に
2013年4月25日 ニュースの教科書

 韓国で再び原子力発電所のトラブルが発生している。慶州市にある新月城原発1号機が4月23日、制御系統に故障が発生し発電を停止した。
 同原発は昨年8月に商業運転を開始したばかりの新型原発だが、試運転時に4回も故障したほか、商業運転開始からわずか19日で運転を停止した前歴がある(本誌記事「韓国での原発トラブルが止まらない」参照)。故障の原因は、炉心に挿入した燃料棒が滑り落ち、緊急停止装置が働いたためだが、今回の故障も同じシステムが原因とされている。昨年の事故を経ても、根本的な改善がなされていない可能性が指摘されている。

韓国は電力インフラが十分でなく、需要が予想を超えて増大するとしばしば電力不足を起こす。しかも現在、新月城原発以外にも、故障や整備点検のため7基の原発が停止した状態にある。
 新月城原発は100万キロワット級と出力が大きく、同原発が停止してしまったことで、一気に電力需給が逼迫する事態となった。さらにタイミングの悪いことに、月城原発2号機も整備に入ったため、電力需給はさらに逼迫する可能性が高くなってきた。この状況はしばらく続く見通し。

 折しも韓国と米国は米韓原子力協定の改定に向けて交渉している真っ最中。米国は韓国を通じて核技術が流出することを懸念しているほか、韓国の原子力産業全体の技術力がまだ途上であることなどを理由に、韓国による使用済み核燃料の再処理とウラン濃縮を禁止している。
 韓国はこの禁止条項を撤廃すべく交渉を続けていたが、結局、現在の協定を2年間延長することに合意し、核燃料の再処理を断念した。

 この発表は新月城原発が停止した次の日に行われた。もちろん両者には直接的な関係はないが、同原発の故障は、米韓原子力協定交渉の結果を暗示するものとなってしまった。

 韓国では同協定によって自国で使用済み核燃料の処理ができない状態にある。2013年1月には、現時点で韓国内に溜まっている使用済み燃料を再処理するため、日本の六ヶ所村にある核燃料サイクル施設への委託を検討しているとの報道もあった(本誌記事「韓国から核燃料の再処理を受託との報道。原子力は核兵器の問題であるという理解が必要」参照)。韓国当局は報道を否定したが、米韓原子力協定の延長によって、再び核燃料の再処理問題が浮上する可能性が出てきた。

 一方日本側は、原子力政策自体が迷走している状況で、他国の使用済み燃料の処理について、自信を持って受け入れられる状況にはない。また六ヶ所村の施設もトラブルが続いており、予定通りの稼働が出来ていない状況だ。日韓の原子力をめぐる状況はますます複雑になってきている。



さて、「日米韓の連携を自明のこととして、歴史認識問題をめぐる政治家の発言ばかりをクローズアップする報道は、東アジアにおける日本の役割が終焉したという事実を無視している。」とは正論ですね。日本のマスメディアは毎度「隣国は大事」とか「韓国とは民主主義などの価値観を共有している」なんて馬鹿げたことばかり報じています。政治家も、そんなことを言っていますね。常に日本を仮想敵国のごとく罵倒している韓国と、友好など有り得ません。日本の総理大臣が就任するたびに歴史に関して謝罪しても、一人の閣僚がそれを否定するような発言をすると、「日本は謝罪していない。反省していない。」と非難する。韓国は政治家全員がベトナムに謝罪したのか。韓国軍総司令官(ベトナム戦争当時)は、米誌「ニューズウィーク」でのインタビューで「誰に対しても償う必要はない。あれは戦争だった」と明言しています。
→ ベトナムでの韓国軍の残虐さ「大虐殺・放火・拷問・強姦・強奪…」

中国や韓国と歴史認識を共有したい日本国内のメディアには困ったものです。国益を考えろと言いたい。中韓に利用されてきた朝日や毎日やNHKは、目を覚まして日本のために働いてほしいものです。それとも中国利権・朝鮮半島利権から抜け出せないのか。

一方、日米関係も微妙な時代に入ってきました。気になるのは、米国では中国系アメリカ人の存在に注目が集まっているということ。2011年現在、アメリカ国籍を持つ中国系は400万人に達するという。中国系アメリカ人は今や、徐々に米国の政界へ進出し、祖国の中国に特命全権大使を送り出すまでになっています。米国に根づき、その一翼を担い始めているのです。また、中国語は英語、スペイン語に次いで話者が最も多い言語になっており、教育水準も中国系は他のマイノリティーよりも高いそうな。で、「息子か孫を米国大統領に」と望む人が増えているという。しかし、米国でのスパイ事件の容疑者は中国系が一番多いという現実もあるようです。
→ 現代中国人の野望、「息子か孫を米国大統領に」―米華字メディア
→ とかく話題の中心になり始めた中国系アメリカ人 

予算面から在日米軍の規模を縮小せざるを得ない米国は、2016年には、韓国から在韓米軍の陸上兵力が撤退することがすでに決まっており、この3月には日米両政府が在沖縄海兵隊のグアム移転に向け、日本が米国に1億1430万ドル(約93億円)を支出するための交換公文も結ばれています。したがって、日本が憲法を改正して自衛隊を国防軍にし、自分の国を自分でで守ろうとすることを、米国は歓迎するはず…なのですが、日本の技術力(例えば、日本には世界のどの地域にも飛んでいく能力のあるH2ロケットがあるなど)に対する脅威を、米国は振り払うことはない。いつ、どこにでも核ミサイルを撃ち込める技術(つまり、H2ロケット)を持つ日本が「自立」した瞬間、米国にとって日本は「脅威の対象」となるらしい。


アメリカはいつまでも「日本の味方」ではないより抜粋
2013年05月09日 門田隆将

昨日(5月8日)、中国の人民日報が、「歴史的に未解決の琉球問題を再び議論できる時が来た」という学者の論文を掲載したことに対して、日本国民はどんな感想を抱いただろうか。

人民日報は中国共産党の機関紙であり、事実上、国家の意見を内外に表明する媒体だ。そこで初めて、沖縄の帰属問題が「未解決」であり、中国にこそ「統治する権利がある」ことを示唆したのである。

これから堂々と「沖縄は中国のものだ」という意見表明を展開していく狼煙(のろし)を中国が高々と上げたことになる。尖閣が日中どちらのものか、などという話ではない。沖縄そのものが「中国のもの」というのである。

だが、中国研究家の間では、この主張がおこなわれるのは「当然のこと」であり、「時間の問題」とみられていた。中国の主張は、段階的に、そして用意周到におこなわれてきているからである。

昨年12月14日、中国は、東シナ海での大陸棚設定について、すでに国連に中国大陸から尖閣諸島を含む沖縄トラフまで、「大陸棚が自然に伸びている」と主張し、独自の境界画定案を提出している。

沖縄に対する並々ならぬ意欲は、すでに「明確に示していた」のである。

私は、ニュースを見ながら、二つのことを考えた。一つは、一昨日のブログにも書いたように、中国が新たにこの3月に設置した中国海警局によって、軍事紛争ではなく海警局による“衝突”によって尖閣での小競り合いを続け、やがては尖閣を奪取する方針を執るだろうということだ。

もう一つは、いつまでアメリカは日本の味方をしてくれるだろうか、ということである。中国が沖縄県内への工作・干渉をより強める中、ヤマトンチュ(大和人=日本人)への剥き出しの憎悪を隠さない沖縄の地元メディアの主導によって、沖縄世論がこれからますます日本離れを強める可能性がある。

民主党の鳩山由紀夫氏による「(普天間基地移転先は)最低でも県外」という言葉は、中国にとって願ってもないものだった。今後も、駐留米軍の兵士が引き起こす事件や不祥事のたびに、「沖縄から米軍は出ていけ」という世論はますます盛り上がるだろう。それを煽り、ほくそ笑むのは、どこの国か。今回の人民日報の論文は、そのことも示唆してくれている。

私は、アメリカがこれからも日本の味方をしつづけるだろうか、ということには大いに疑問を持っている。先月、中国を訪問したアメリカのケリー国務長官は、中国の歓待に感激し、来たるべきG2(二超大国)時代に向けて、二国間でさまざまな同意を取りつけたと言われる。中国の“核心的利益”に対して、ケリー氏がどんな見解を述べたのかは、今も漏れてこない。

沖縄の反米・反基地・反ヤマトンチュの意識は、そのまま中国の利益につながる。迷走するオスプレイの問題など、アメリカと沖縄の間には、越えられない「壁」が存在するのは間違いない。沖縄戦で10万人近い犠牲者を出した沖縄県民にとっては、当然だろうと思う。

だが、同時にそのことが東アジアでの覇権確立に執念を燃やす中国に利用されてはならないだろう、とも思う。2016年には、韓国から在韓米軍の陸上兵力が撤退することがすでに決まっており、この3月には、日米両政府が、在沖縄海兵隊のグアム移転に向け、日本がアメリカに1億1430万ドル(約93億円)を支出するための交換公文も結ばれている。

これら、米軍の一部撤退を誰よりも喜んでいるのは中国だ。そのことを沖縄の人々も、もちろん日本人全体も忘れてはならないと思う。

もう一つ、私が気になるのは、アメリカでの中国専門家の多くが「中国系」であることだ。中国系の人々は、“アメリカ人”として政府や国際機関の中枢に入ってきている。その数が今後、増大していくことはあっても、減少することはないだろう。つまり、日本は、今後、さまざまな国際舞台で、「中国系のアメリカ人」と対峙していかなければならないのである。

それは、中国によるアメリカへのロビー活動というレベルではない。“アメリカそのもの”なのだから、当然である。私が、「いつまでアメリカは日本の味方なのだろうか」と懸念する理由はそこにある。
尖閣が日米安保条約第5条の対象地域であること、そして同じように沖縄がそうであることが「未来永劫つづく」と信じていたら、よほどの平和ボケではないか、と思う。

私は、人民日報が「歴史的に未解決の琉球問題を再び議論できる時が来た」という論文を掲載したことをきっかけに、そんなことまで考えてしまった。生き馬の目を抜く国際社会で、最前線の交渉に臨む政治家や官僚には、「覚悟」と「危機感」、そして毅然とした「姿勢」を望みたい。



アメリカの「本音」と日米同盟の未来
2013年05月11日 門田隆将

アメリカ議会調査局から提出されたという『最近の日米関係』と題した報告書のことがニュースになっていた。

それによると、報告書には、「安倍首相は日米同盟の強い支持者だが、米国の国益を損なう可能性がある歴史認識問題をうまく取り扱えるかが問われている」、また韓国などとの関係で「今後、米軍と自衛隊による安全保障協力などに支障が出る可能性がある」と書かれているという。

例によって、中国や韓国と歴史認識を共有したい日本国内のメディアが、このことを殊更大きく報じていた。ちょうどいい機会なので、この際、安倍政権に対する“アメリカの本音”について、私も少し考えてみたい。

日米同盟を基軸とする安倍外交の方針は、今後もまったく揺るぎのないものだろうと思う。

しかし、その安倍首相のメッセージを受ける側のアメリカの本音は、微妙だ。私は、アメリカは安倍政権に対して「頼もしさ」を感じる一方、「少し困った」という思いを抱き始めているのではないか、と思う。

それは、日本の「自立」と大いに関係している。安倍政権が、この4月28日に主権回復記念日として天皇皇后両陛下ご臨席のもとにお祝いをしたことを思い出して欲しい。主権回復とは、1952(昭和27)年にサンフランシスコ講和条約が発効し、7年の長期に及んだGHQの支配に「ピリオドが打たれた」ことを意味している。

屈辱のGHQ占領時代が終わり、日本がふたたび独立を取り戻した日であり、これは戦後日本にとって実に大きな意味を持つ日だった。

だが、日本は主権を回復したものの、実際は戦力の不保持と交戦権の否定を謳った平和憲法のもとで、アメリカに“従属”して生きていく実態に変わりはなかった。

その後、アジア共産化の防波堤として日本はアメリカにとって大きな役割を果たしつづけた。そして、アメリカの核の傘の下で平和を享受し、経済的な繁栄を手に入れた。かつて“不沈空母”と語られたように、日本はアメリカにとって、欠かせない存在だったのである。

そして、主権回復後61年を経たこの夏、安倍首相は、「改憲」を掲げて参院選を闘おうとしている。アメリカが“盟友”安倍政権を一方で「頼もしく」思い、一方で「少々、困った」という思いを持っている理由は、この安倍首相の姿勢にある。

日本の再軍備を視野に入れた憲法改正問題は、予算面から在日米軍の規模を縮小せざるを得ないアメリカにとって、ありがたい側面もある。だが、「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍政権は、先日の主権回復の記念日を祝ったように「真の独立国家」たらんことを目指している。

戦後体制から「抜け出す」とは、アメリカ従属から抜け出し、真の意味で自主独立の道を歩もうということである。かつての日本は、東京大空襲をはじめとする「焦土化作戦」で多くの日本の非戦闘員を殺戮したアメリカのカーチス・ルメイ空軍大将に「勲一等旭日章」を与えるほど、アメリカに媚(こび)を売りつづけた国だった。

だが、日本がその従属的地位から抜け出た瞬間、アメリカにとって日本は“初(う)い奴”ではなくなるという事実を忘れてはならない。つまり、アメリカにとって日本は、自国の若き兵士たちの血を流しても「守ってくれる」という存在ではなくなるのである。


国防軍創設の先には、必ず核武装の議論も出てくるだろう。私は、第一次安倍内閣の2006年10月、自民党政調会長だった故中川昭一氏が日本の核保有について、「議論があっていい」と発言した時、アメリカからライス国務長官がすっ飛んできたことを思い出す。

日本の有力な政治家が「核保有すべきだ」と発言をしたわけではなく、「その議論をしてもいい」と言っただけで、アメリカの国務長官が大慌ててやって来たのである。

私は、日本がアメリカにとって“初い奴”“可愛い子”で居つづけることをやめた時、アメリカは一体どう出るのだろうかと考えてしまう。ずばり、日本が万一、核武装に向かって動き始めた場合はどうなるのだろうか、ということである。

日本には、H2ロケットがある。これは、宇宙開発事業団と三菱重工が開発に成功した人口衛星打ち上げ用ロケットである。主要技術はすべて国内開発されたもので、いうまでもなく、このロケットには世界のどの地域にも飛んでいく能力がある。

もし、日本が核開発に突き進めば、H2ロケットの性能を考えたら大陸間弾道ミサイルは、すぐに現実のものとなるだろう。そのことをアメリカはよく知っている。仮に日本が自立し、核武装までおこなったとしたら、アメリカが日本に対してどれほどの「脅威」を感じるか、想像もつかない。

広島・長崎の一般市民の頭の上に原爆を「二度」も落としたアメリカは、いつ、どこにでも核ミサイルを撃ち込める技術(つまり、H2ロケット)を持つ日本が怖くて仕方がなくなるだろう。真の意味で独立国家となった日本が、50年後、100年後にもアメリカと同盟関係にあるとは限らないからである。


頼もしいパートナーだった日本がアメリカから“自立”し、アメリカにとって“初い奴”ではなくなった時、日本はどのような扱いをアメリカから受けるだろうか、と考える理由がそこにある。

つまり、日本が“自立”した瞬間、アメリカにとって日本は「脅威の対象」となるのである。その意味で、この夏の参院選で焦点となる憲法改正問題は、安倍政権にとって両刃の剣となるものなのだ。

国家にとって、自主・独立への道というのは険しい。安倍政権は来たるべき参院選で、敢えて“タブー”に挑戦しようとしている。それは、日本の行く末を決定づける道でもある。私たちはあくまで理性的に、かつ冷静にこの問題を捉え、判断していきたいものである。

  

 

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