駄文・散文帳
2013年02月01日 (金) | 編集 |


代表監督暴力問題。日米の対応の差
2013年1月31日 鈴木友也 

柔道女子日本代表・園田隆二監督が暴力行為などで選手15人から告発された問題が混迷を極めています。事件の経緯は大きく報道されていることと思いますので、この際省きますが、日本オリンピック委員会(JOC)が全日本柔道連盟(全柔連)に再調査を命じていることは理解に苦しみます。

全柔連によると、2010年8月から2012年2月までの間に、園田監督による5件の暴力行為が確認されており、昨年9月下旬には同監督の暴力行為について、女子選手1人が全柔連に告発しています。今回の(二度目の)告発では、15名もの選手がJOCに直接告発していることから、選手の全柔連に対する不信感が透けて見えます。

にも関わらずJOCが再調査を全柔連に命じました。これは、被告の友人に裁判官を頼むようなものです。ただでさえ、選手は「代表を外される」といったリスクを負う弱い立場にあります。こうした事案の調査は、事件に利害関係のない第三者が実施すべきでしょう。

ところで、実は昨年米国でも、今回の事件と極めて似た代表チーム監督による暴力問題が起こりました。今回は、それをケーススタディとして日米の対応の違いを見てみたいと思います。

米国の“お家芸”で起こった暴力事件

昨年8月末、5名のオリンピックメダリストを含む19名のスピードスケート(ショートトラック)の選手が、肉体的・精神的虐待を受けたとして代表チーム監督を米スピードスケート連盟(USS)及び米オリンピック委員会(USOC)に告発しました(うち2選手は、警察に被害届も出している)。

スピードスケートと言えば、米国では冬のスポーツの“お家芸”で、冬季五輪で最も多くのメダルを米国にもたらしている競技です。その意味では、日本の柔道にとても近い存在と言えます。

告発状によると、代表監督のチョン・ジェス(Jae Su Chun)氏は、選手を壁に叩きつけ繰り返し殴打し、ボトルや椅子を投げつけ、あるいは女性選手には「デブ」「気持ち悪い」などの暴言を吐いたとされます。告発した選手たちは、同コーチの下では二度と練習を行わないとボイコット宣言し、個別にコーチを雇って独自に練習を行っていたそうです。

今から約5か月前の出来事ですが、この米スピードスケート界で起こった告発事件の経緯を見てみると、今回の日本での女子柔道選手による告発と大きく異なる3つの点が浮かび上がってきます。以下に、解説していきましょう。

「SafeSport」プログラムに基づく第三者調査

まず、日米の最も大きな違いは、告発事件の調査を利害関係のない第三者に依頼しているかどうかです。JOCは調査を全柔連に差し戻しましたが、USOCは独立した第三者に調査を依頼しています。

実はUSOCは、コーチ・選手間やチームメイト同士における不法行為(Misconduct)を防止するために「SafeSport」と呼ばれるプログラムを設けています。ここで言う「不法行為」とは、いじめやハラスメント(肉体的・心理的虐待)、性的虐待などを指します。

19名のショートトラック選手が代表監督を告発したのは、昨年8月のことでした。これを受け、USOCはすぐに独立調査をホワイト&ケースに依頼し、その報告書が公表されたのが10月5日です(報告書の要約版はこちら)。告発から2か月足らずで調査を終えています。

一方、15名の日本女子柔道選手が告発文を提出したのは昨年12月4日のことでした。確かに、選手のプライバシーや練習環境への配慮もあって秘密裏に対応したいという気持ちは分かりますが、マスコミがこれを報じるようになりJOCは全柔連に再調査を命じています。しかし、最初の告発(昨年9月下旬)からすでに約4か月が経過しています。

トップアスリートの寿命は非常に短いものです。調査にいたずらに時間をかけることは、選手の寿命を削るようなものかもしれません。少なくとも、指導者に対して不信感を抱いた状態で練習に身が入るはずがありません。JOCおよび全柔連には、迅速かつ公正な調査の実施を願いたいものです。



大津市で2011年10月、当時13歳の男子中学生が自殺した問題で、市の第三者調査委員会(委員長・横山巌弁護士)は31日、いじめが自殺の「直接的要因」とする報告書を越直美市長に提出しました。第三者調査委員会は学校と市教育委員会の対応について、「組織の体面をかけて因果関係を否定したいという動機が虚構を作った」と非難しました。

このように、事件の調査は第三者からなる組織が行わなければならないのは明白です。

また、陣内貴美子キャスターが1月31日、日本テレビのニュース「 エブリィ」で「欧米では選手を褒めて才能を伸ばすが、日本は逆」みたいなことを言っていました。しかし、それは間違い。昨年、米国のお家芸ともいえるスピードスケートで、19名の選手が虐待を受けたとして代表チーム監督を告発しました。

「昨年8月末、5名のオリンピックメダリストを含む19名のスピードスケート(ショートトラック)の選手が、肉体的・精神的虐待を受けたとして代表チーム監督を米スピードスケート連盟(USS)及び米オリンピック委員会(USOC)に告発しました(うち2選手は、警察に被害届も出している)。」

日本の柔道五輪代表暴力問題については、産経新聞の森田景史記者が以下のように述べています。

「トップスポーツの強化現場で持ち上がった『暴力』という重大な事案に接しながら、告発文の提出を受けたJOCは対応を全柔連に丸投げし、1カ月以上も“放置”した。全柔連は隠蔽体質をさらけ出し、統括組織のJOCは当事者意識を欠いた。個人の「指導力不足」に罪をなすりつけて、幕を引くべき事案ではない。

折りしも今日、教え子の女子大学生への性的暴行をした罪に問われている内柴正人被告に対し、東京地方裁判所は懲役5年の実刑判決を下しました。柔道界にとって受難の日々が続く。
 

 

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