駄文・散文帳
2013年01月12日 (土) | 編集 |

タマ&トラ
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2013年、シェールガス革命で世界は激変する
素材、化学など日本企業にも恩恵

2013年01月08日 泉谷渉:ジャーナリスト

シェールガス革命の大旋風が世界に吹き荒れ始めた。エネルギー問題といえば、原発の是否やメガソーラーの導入などに関心が深い日本国内の事情からいえば、ピンとこない人も多いかもしれない。しかしながら、これは100年、200年に1回あるかないかというほどのインパクトを持つ一大産業革命なのだ。

圧倒的に安いシェールガスのコスト

米国のオバマ大統領は、2011年秋ごろまでは、ひたすら自ら提唱する「グリーンニューディール」の政策実行に腐心していた。しかしながら、最近の彼はグリーンニューディールを一言も口にしない。

それに代わって、「米国発のシェールガス革命は世界を席巻する。今後のエネルギーの覇権については、米国は勝ったも同然だ。とんでもないことになる」とコメントすることが多い。

今までは、石油があと20~30年、石炭が100年もたないという事情があるからこそ、原子力発電にいくか、太陽光、風力、地熱などの再生可能新エネルギーにいくか、という選択しかなかったのだ。ところが、である。シェールガス、すなわち砂や泥まみれの地中から取り出す天然ガスは、この状況を一変させてしまった。

なにしろ、1キロワットあたりのコストが、石油10円、風力20円、太陽光35円というのに対し、シェールガスはたったの6円なのだ。しかも埋蔵量が少なくとも150年分、実際には300年以上もあるともいわれている。なおかつ、CO2排出量は石炭に対し40%、石油に対し15%も少ないのだ。

米国はこのシェールガスの取り出しについて独占的な知財権で固めており、ピンポイントで見つけ出し、堀り上げ、精製まで持ち込むすべての工法を確立している。世界のシェールガスの約4割は米国にあるといわれている。中国をはじめ、世界各地にはシェールガスはあるものの、前記の事情で、米国が一気に最先行することになる。

日本の技術が支えるシェールガス革命

しかして、わが国日本ではシェールガスはほとんど出てこない。わずかに秋田県由利本荘でシェールオイルが見つかった程度である。それならシェールガス革命は米国に最大の恩恵をもたらすが、日本にはそれほどのメリットはないのでは、と考える人たちも多い。

ところが、実はそうではないのだ。結論を先に言えば、シェールガス革命で日本の企業には莫大なメリットが生じてくる。

シェールガスを取り出すためには2000メートルも掘り下げるわけであり、この圧力に耐えられる鋼管パイプは、新日鉄住金など、日本の鉄鋼メーカー以外には作れない。シェールガスを精製して気体から液体、液体から気体へとリサイクルを行うが、このプラントは住友精密工業神戸製鋼しか作れない。

一番難しいのはアルミの穴あけなのだ。技能オリンピックで十数年連続金メダルを取る日本の「匠」の技術の一つが、アルミの穴あけなのだ。シェールガスを収納する運搬容器には炭素繊維が使われる。この分野は東レ、帝人、三菱レイヨンの国内勢が世界シェアの約70%を握っており、ここにも強い追い風が吹くのだ。

また、シェールガスは大型タンカーで輸送することになるが、ここでモノをいうのがアルミの厚板であり、これまた古河スカイなど日本勢しか作れない。地中から引き上げてきたシェールガスの原材料に対し、大量の水を使うが、この水量全体を減らすために膨大な窒素を使用することになる。

材料ガス国内最大手の大陽日酸は、笑いが止まらないかもしれない。さらにいえば、シェールガス採掘に伴う工事は土木であり、大型ブルドーザー、各種ショベル、大型トラックが必要になる。コマツや日立建機もまた笑いが止まらないだろう。

そしてまた、これらの建機に使用する超大型タイヤは、世界でただひとつブリヂストンにしか作れないのだ。

東京都は400億円のファンドを積んで,東京湾岸に火力発電10基を作る計画を打ち出している。猪瀬直樹新知事は必ずや断行するだろう。ここにもシェールガスを中心とする天然ガスが採用される。

原発稼働や着工が難しい現状にあって、火力発電こそが日本の中心的なエネルギーになるだろう。世界的に見ても火力発電こそが主力、という声が多いのだ。
こうなれば、原発プラントで世界トップシェアを持つ東芝は、その持てる技術をシェールガスに転用して稼ぐだろう。また、ガスタービンでは世界ナンバーワンの折り紙つきの三菱重工業にも福音がもたらされることになる。

排水や薬液などの環境問題も難なくクリア

最近になって、国内化学メーカー第1位の三菱ケミカルホールディングスは、米化学大手のダウケミカルと提携し、シェールガスを活用した石油化学コンビナート構築を打ち出した。

シェールガスから基礎化学品のエチレンを生産すると、コストが日本の化学工場の20分の1になるという。つまりは、自動車部品や液晶パネルに使う樹脂工場をローコストで建設し、世界の競合メーカーに対して先行してブッチぎっていこうとの考えなのだ。

一方でシェールガスは大量の排水があり、多くの薬液も使われることからEU諸国の中にはこれを禁止する国も出てきた。つまりは、公害問題の発生がデメリットという向きもある。ところがどっこい、それなれば世界ナンバーワンの日本の水処理技術がすべてを解決してしまう。三機工業、栗田工業、荏原の出番が来たのだ。

2013年は米国で1万カ所のシェールガス掘り出しが始まるといわれている。三菱商事、三井物産、住友商事、双日など世界に誇る日本の総合商社は、これらの掘り出しに大量の出資をしており、かなりの権利を握っている。

それゆえに、現在の天然ガスのような高い価格で日本がシェールガスを輸入するということはない。シェールガス革命は米国におけるモノづくりを大復活させ、日本の最大の輸出先は中国から再び米国に変わるのだ。反日ではない国、米国との取引が一気に拡大することは確実であり、もしかしたらこれが最大のシェールガスメリット、と言ってもいいかもしれない。



最近話題になってきたシェールガス(砂や泥まみれの地中から取り出す天然ガス)。「1キロワットあたりのコストが、石油10円、風力20円、太陽光35円というのに対し、シェールガスはたったの6円。しかも埋蔵量が少なくとも150年分、実際には300年以上もあるともいわれている。なおかつ、CO2排出量は石炭に対し40%、石油に対し15%も少ない。」という優れもの。しかし、「米国はこのシェールガスの取り出しについて独占的な知財権で固めており、ピンポイントで見つけ出し、堀り上げ、精製まで持ち込むすべての工法を確立している。世界のシェールガスの約4割は米国にあるといわれている。中国をはじめ、世界各地にはシェールガスはあるものの、前記の事情で、米国が一気に最先行することになる。」という米国にメリットが偏向した形でスタートする模様。

北米・ヨーロッパ・オーストラリア・中国・インドなど世界に広く分布するシェールガス、日本ではほとんど出てこないようで、わずかに秋田県由利本荘でシェールオイルが見つかった程度らしいが、シェールガス革命で日本の企業には莫大なメリットが生じてくるという。シェールガス台頭以前と以後では、日本の化学メーカーの取る戦略が違ったものとなってきたようです。泉谷渉氏は以下のように述べています。

■シェールガスを取り出すためには2000メートルも掘り下げるわけであり、この圧力に耐えられる鋼管パイプは、新日鉄住金など、日本の鉄鋼メーカー以外には作れない。
■シェールガスを精製して気体から液体、液体から気体へとリサイクルを行うが、このプラントは住友精密工業と神戸製鋼しか作れない。
■一番難しいのはアルミの穴あけなのだ。技能オリンピックで十数年連続金メダルを取る日本の「匠」の技術の一つが、アルミの穴あけなのだ。シェールガスを収納する運搬容器には炭素繊維が使われる。この分野は東レ、帝人、三菱レイヨンの国内勢が世界シェアの約70%を握っており、ここにも強い追い風が吹くのだ。
■シェールガスは大型タンカーで輸送することになるが、ここでモノをいうのがアルミの厚板であり、これまた古河スカイなど日本勢しか作れない。
■地中から引き上げてきたシェールガスの原材料に対し、大量の水を使うが、この水量全体を減らすために膨大な窒素を使用することになる。材料ガス国内最大手の大陽日酸は、笑いが止まらないかもしれない。
■シェールガス採掘に伴う工事は土木であり、大型ブルドーザー、各種ショベル、大型トラックが必要になる。コマツや日立建機もまた笑いが止まらないだろう。これらの建機に使用する超大型タイヤは、世界でただひとつブリヂストンにしか作れないのだ。
■一方でシェールガスは大量の排水があり、多くの薬液も使われることからEU諸国の中にはこれを禁止する国も出てきた。つまりは、公害問題の発生がデメリットという向きもある。ところがどっこい、それなれば世界ナンバーワンの日本の水処理技術がすべてを解決してしまう。三機工業、栗田工業、荏原の出番が来たのだ。

つまり、「日本のモノづくりを大復活させ、日本の最大の輸出先が中国から再び米国に変わる。反日ではない国、米国との取引が一気に拡大する。」と言うのですが、そうなることを祈りたい。日本は、原子力発電所の相次ぐ運転停止で2011年度の液化天然ガス(LNG)輸入量は過去最高となり、11年に31年ぶりの貿易赤字に陥る一因となったのでした。エネルギーは一国の安全保障問題でもあります。政府と民間企業が一体となって知恵を絞らなくてはなりません。


大陽日酸 北米でエネルギー向け産ガス事業加速

 大陽日酸は、北米でのエネルギー向け産業ガス需要の取り組みを加速させる。来月からミシシッピー州でバイオ燃料工場へ向けての水素のオンサイト供給を開始する他、ノースダコタ州では年内の稼働を目指してシェールガス向けの空気分離装置を建設中。また、販売面では子会社の米マチソン・トライガス(MTG)にセパレートガスのセールスチームを設置し、同地での営業展開を本格化するなど、伸長する需要の取り込みに傾注していく。



当然ですが一方で、シェールガスに関しては希望的観測ばかりでなく、「落とし穴」があり、「魔法の杖ではない」と釘を刺している記事も見受けられます。


シェールガスは魔法のつえか 天然ガスシフト、冷静に戦略を
2012/6/4 日本経済新聞web版 編集委員 松尾博文

非在来型資源の1つであるシェールガスへの期待が高まっている。米国で産出するシェールガスを液化天然ガス(LNG)に加工して日本に持ち込めば、割高な価格の引き下げにつながるとして、日本企業も一斉に動き始めた。しかし、シェールガスは天然ガス調達の課題を一気に解消する魔法のつえではない。

 環境負荷が比較的低いことからも天然ガスの重要性は高まっているが、シェールガスのブームは過熱気味で、その落とし穴を見極めることも必要になる。

東京ガスと住友商事は、米国産LNGの調達に向けて米社と協議を始めた。米政府の輸出許可を得られれば、2017年にも米東部メリーランド州から輸入を始める。三菱商事と三井物産もルイジアナ州の基地から、それぞれ年400万トンを調達する計画だ。

 「今までとは違う値決め方式につなげたい」。東京ガスの棚沢聡原料企画担当部長は語る。米国産LNGの輸入が、割高の原因となってきた価格体系に風穴を開けるとの期待があるからだ。

 日本向けLNGは原油価格に連動して価格が決まるのに対し、米国ではガスの需給で決まる。米国の主要なガス指標価格であるヘンリーハブは現在、100万BTU(英国熱量単位)あたり2ドル程度。液化や輸送のコストを加えても同10ドル程度と、日本の輸入価格である同16~17ドルを大きく下回る。

 ところが、「米指標価格連動のLNGが常に安いとは限らない」と語るのは三菱商事の黒神雅也天然ガス事業戦略室長。米国のガス価格が上昇し、原油価格が下落すれば原油連動方式のほうが安くなる可能性があるからだ。

 実際、06年1月の北米のガス価格に基づくLNGなら同17ドル。原油連動のLNGは同6.5ドルと、今と逆転する。

 米国ではシェールガスの生産拡大で、現在は国内のガス供給が過剰な状態。だが、LNG輸出が始まれば需給が引き締まり、価格が上昇する可能性が指摘されている。

 日本から見た産地の遠さや、地理的な制約もある。米国東海岸やメキシコ湾岸から日本にLNGを持ち込むにはパナマ運河を通らねばならないが、15年にも予定する拡張工事の完了が前提だ。日本の電力・ガス会社が輸入に利用する容量15万~17万立方メートル級の輸送船は、幅32メートルが上限の今の運河は通過できないのだ。

東南アジアやオーストラリアから日本への輸送は一週間程度であるのに対し、米国東海岸からは30日近くかかる。工事の遅延や航行規制でパナマ運河を通れなければ、地中海からスエズ運河を経由することになる。さらに日数がかかり、調達コストの上昇要因となる。

 拡張後の運河の航行基準は、パナマ運河当局が今後公表する見通し。拡張しても容量20万立方メートル超級の大型輸送船は通れない。海運関係者によると、球形のタンクを載せたモス型と呼ばれる輸送船は、先方の視界が悪く、運河通過で規制を受ける可能性があるという。立方形タンクを載せたメンブレン方式の輸送船は欧州や韓国で使われるのに対し、モス型は日本の造船会社が得意とし、日本の電力・ガス会社が多く利用している。

 さらに見通せないのが、米エネルギー政策の行方だ。

 「政策決定プロセスの途中にあるが日本のエネルギー安全保障は米国にとっても重要。引き続き協議していきたい」。4月末の日米首脳会談で、米国産LNGの供給を求めた野田佳彦首相に、オバマ米大統領はこう応えた。

 米国からの天然ガス輸出には米政府の許可が必要だ。自由貿易協定(FTA)締結国には自動的に認められるが、非締結国は個別の許可が必要となる。オバマ大統領が急ぐ日本に明確な言質を与えなかった背景には今秋の米大統領選挙がある。

 オバマ政権としては、国内エネルギー価格の上昇につながりかねないガス輸出に今は触れたくないのが本音。安い天然ガスを石油化学産業の原料として利用する動きが広がり、国内産業優先を理由にLNG輸出に否定的な声もある。少なくとも大統領選挙が決着する今秋まで、「対日輸出許可は出ない」(日本政府関係者)とみられている。

 米国では10プロジェクト以上、合計1億トンを超えるLNG輸出計画が進行中だが、「すべての事業に輸出許可が出るとは考えにくい」(同)。エネルギー関係者は対日輸出が始まっても「エネルギー資源は戦略物資。米政府も自国利益を最優先し、都合の良い時だけ輸出すると考えるべき」と過度の期待を戒める。

 シェールガスの台頭は、東日本大震災後の日本のエネルギー政策見直しとちょうど重なった。原子力発電の将来は不透明。再生可能エネルギーの実力にも不安が残る。間を埋めるのは化石燃料しかない。その中でも二酸化炭素(CO2)排出などの負荷が低い天然ガスの役割は急速に高まっている。

 シェールガスという「黒船」が、LNGビジネスに与える衝撃は大きい。全面的に期待をかけるのではなく、その弱点も折り込みながらLNG調達のポートフォリオを広げ、既存輸入先との契約を有利に変える“てこ”としていく発想が必要だ。

 

 

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コメント
この記事へのコメント
トライボロジーインパクト
 このまえのNHKのクローズアップ現代で、やっと事の重要さを認識しました。それでいろいろと調べていると、なんか日本の日立金属の工具鋼が掘削用のドリルの材質に使われたこともブレークスルーの一助となったとか。これって役に立つ情報だと思わない?
2013/01/27(日) 18:48:56 | URL | 掘削工具屋 #v08MnZg.[ 編集]
ナノマシン
 私のきくところによると久保田博士が以前開発したACD8という工具鋼の材料がものすごい魅力があるのに、海外では作れない。これを三菱商事が極秘に商売化しているが、とうの日立金属は気づいていない。
 そのご強力なシミュレーション技術が開発されているようなので、さらにブラッシュアップされたもののできるらしいが、情報が出てこないのが現状だ。
2013/06/02(日) 22:57:26 | URL | 産総研 #-[ 編集]
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2017/01/02(月) 19:58:02 | | #[ 編集]
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