駄文・散文帳
2012年02月03日 (金) | 編集 |
財政赤字、少子高齢化、医療崩壊、エネルギーの供給不安、雇用不安など多くの問題を抱えている昨今。これは日本を含む先進国でも起きている問題ですが、日本の場合、それらに加えて東日本大震災後の誘発地震に対する不安、特に首都直下地震と東南海地震など現実味を帯びてきました。原発事故の行方も心配です。しかし、さまざまな情報が溢れていて、専門家の間でも意見が分かれています。どの情報、どの意見を参考にするかによって、現在志向(状況に適応しようとする)も未来志向(目的を重視する)も左右されるでしょう。

GDPが小さい国の場合、自国市場だけで全ての産業を自給自足的に成立させることは難しく、国外市場への輸出もしくは国外供給地からの輸入に頼らざるを得ないため、GDPの小さい国ほど貿易依存度は大きい。日本は輸出依存度も輸入依存度も非常に低い。総務省が発表した2009年のGDP(国内総生産)に占める各国の輸出依存度を見ると、韓国が43.4%、中国が24.5%、ドイツが33.6%であるのに対し、日本は11.4%に過ぎない。日本は輸出の絶対額で見れば中国、アメリカ、ドイツに次いで4位であるが、実はGDPの9割近くを内需が占める内需大国なのです。G20の国々の中で日本より輸出依存度の低い国は7.4%のアメリカと9.7%のブラジルだけです。ちなみに韓国経済は輸出依存度が高く、為替の影響を受けやすいという意味で産業構造は脆弱なのです。

日本の場合、精密機械や工作機械など、海外に競合メーカーがほとんどいないオンリーワン技術を持つメーカーの多くが、円建てで輸出しているそうです。強い立場で交渉に臨めるので、為替リスクを相手に押し付けていると。昨年上期の場合、円建て輸出の比率は全体で42.2%であり、アジア向け輸出では49.3%。また、中東原油の輸入のように、価値の高い円での支払いを求められるケースがでてきています。


韓国が貿易赤字に転落…24か月ぶり
2012年2月1日 読売新聞

韓国の知識経済省が1日発表した1月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、19億5700万ドル(約1490億円)の赤字となった。

月間の貿易収支が赤字となるのは2010年1月以来、24か月ぶり。また輸出額も415億3700万ドルと前年同月比で6・6%減少した。前年比での輸出減少は27か月ぶり

 同省では、長引く欧州の財政危機原油価格上昇の影響だと分析している。



輸出依存度 韓国43.3%、中国24.5%に対し日本は11.4%だけ
2011.11.04 SAPIO2011年11月16日号

円高は日本のピンチなのか、チャンスなのか。国際金融アナリストで、『円高は日本の大チャンス』(PHP研究所刊)の著者・堀川直人氏は、「円高悲観論」は幻想にすぎず、日本経済は為替に左右されにくい強靭な体力を身につけていると指摘する。

* * *
「日本は輸出で食っている」というのは幻想にすぎない。総務省が発表した2009年のGDP(国内総生産)に占める各国の輸出依存度を見ると、韓国が43.4%、中国が24.5%、ドイツが33.6%であるのに対し、日本は11.4%に過ぎない。

日本は輸出の絶対額で見れば中国、アメリカ、ドイツに次いで4位であるが、実はGDPの9割近くを内需が占める内需大国なのだ。G20の国々の中で日本より輸出依存度の低い国は7.4%のアメリカと9.7%のブラジルだけだ。

今好調と言われる韓国経済も輸出依存度が高く、為替の影響を受けやすいという意味で産業構造は脆弱と言える。

その依存度の低い日本の輸出にしても、輸出先も決済方法もかつてとは大きく様変わりしている。日本にとって最大の貿易相手国は長らくアメリカだったが、2006年度以降は中国がトップとなり、2010年度にはその中国を含めアジア向け貿易が51.1%にも達した(金額ベース)。

しかも、精密機械や工作機械など、海外に競合メーカーがほとんどいないオンリーワン技術を持つメーカーの多くが、円建てで輸出している。強い立場で交渉に臨めるので、為替リスクを相手に押し付けているのだ。財務省の「貿易取引通貨別比率」によれば、2011年上期の場合、円建て輸出の比率は全体で42.2%であり、アジア向け輸出では49.3%だ。

逆に、輸入においても円建て決済を求められるケースも出てきている。中東原油の輸入である。ドル安が続き、ドルの価値がどんどん目減りしているので、価値の高い円での支払いを求められる
のだ。

このままドル安が続けば、世界のドル離れがさらに進むことになる。そうなれば、あまり使わない通貨(=ドル)の価値がいくら変動しても、日本への影響は少なくなる。



池田信夫氏のTPPに関する意見と、「産業の空洞化が足りない」という発信も面白い。


成長から成熟へ、そして・・・
2012年01月27日 池田信夫

日本の貿易収支が31年ぶりに赤字になったことが話題を呼んでいるが、これ自体は予想されたことだ。特に昨年は原発の停止にともなう燃料輸入の増加で一時的な赤字が大きくなった。ただJBpressにも書いたように、長期的にも経済が成熟して経常収支が赤字になることは避けられない。

これは人間が年をとったら若いときの稼ぎを取り崩して生活するのと同じで、それほど不都合なことではない。問題は、日本全体の変化と個人の変化が必ずしも一致しないことだ。団塊の世代にとっては彼らの人生と日本社会の変化が一致しているが、若い世代は成長期に「成熟国」に暮らさなければならない。

現在の社会保障は日本が「成長国」だったときにできたものなので、同じ制度を成熟国で続けると財政が維持できない。特に経常収支が赤字になると、財政赤字を貯蓄でファイナンスする構造が崩れる。これからは資産を効率的に運用して所得収支で食うストック重視の経済構造に変えなければならない。この場合は円は強いほうがよいが、残念ながら円は今後、弱くなるだろう。

したがって「空洞化」をそれほど恐れる必要はなく、むしろもっと空洞化が必要だ。円が強いうちに海外投資を進め、投資収益で食える体制にする必要がある。資本主義の祖国であるイギリスも、その後継者であるアメリカも、産業資本主義から金融資本主義に進化した。日本が危機的なのは、いつまでたっても成長期の経済構造が変わらず、輸出産業に依存していることである。

朝日新聞はエダノミクスと称して「成長から成熟へ」という選択を推奨しているが、その内容は分配重視の社民路線だ。これは全体のパイが増えているときの成長の分配で、何をやってもみんなが得するので、政府の仕事は気楽だった。しかし、これからパイが縮小してゆくと、負担の分配が必要になる。これを社民的な裁量政策でやると、今の民主党政権のように反対が続出して収拾がつかなくなる。

ここで成長期の八方美人的な政策を続けると、財政が破綻して成熟国を飛び越し、一挙に「衰退国」になってしまう。それは団塊の世代が考えるより早く(10年以内に)来るので、困るのは年金以外に生活を支える手段のない高齢者である。取り返しのつかない状態になる前に、ルールを決めて機械的に歳出を削減するしかない。それが『もしフリ』のメッセージである。



「空洞化」が足りない
2011年11月06日 池田信夫blog

TPP反対論がナンセンスであることはもう説明の必要がないと思うが、賛成論にも疑問がある。そのメリットを輸出拡大に求める経産省の宣伝は間違いであり、戸堂康之氏の「TPPのメリットは10年で100兆円」という計算は根拠不明だ。もっとわからないのは、経団連の米倉弘昌会長の「TPPで空洞化に歯止め」という話だ。彼はこういう:

産業の空洞化に歯止めをかけ、国内の雇用を維持するために不可欠なことは、企業が海外で稼いだ利益を日本に持ち帰り、再投資したくなる立地条件を整えることだ。その一つが、貿易自由化の推進だ。韓国は欧州連合(EU)に続き米国とも自由貿易協定(FTA)を結んだ。日本が遅れれば遅れるほど、日本に残るべき生産・研究開発拠点まで流出する恐れが強まる。

企業が国内に「再投資したくなる立地条件」とTPPは、何の関係もない。TPPは貿易自由化のための協定だからである。むしろ貿易が自由化されると、生産拠点を海外に移す「空洞化」は促進されるだろう。たとえば現在、繊維製品には10%の関税がかかっているため、ユニクロが中国で生産した衣類を日本に輸入する場合も関税がかかる。しかしこれがなくなれば、海外生産するメリットは大きくなるのだ。

実はアメリカがTPPを進めるねらいは、ここにある。反対派はよく「アメリカ以外は小国ばかり」というが、こうした国は貿易の相手国としては小さいが、アメリカの企業が海外生産を行なう候補地である。関税や非関税障壁を除去することは、貿易より直接投資の拡大に意味があるのだ。この点で日本は、農産物以外の関税は低く、直接投資の規制もほとんどないので、よくも悪くも影響は少ない。

他方、これからアジア各国で関税や投資障壁がなくなると、日本から海外に生産拠点を移すことが容易になる。これは企業収益にとってはプラスだが、国内の雇用にとってはマイナスである。しかし同じ影響は労働集約的な製品を輸入することによっても起こるので、生産拠点の移転だけを特別扱いする理由はない。たとえばユニクロが中国で生産しなくても、中国から安い繊維製品が入ってくれば、日本の繊維産業の雇用は失われる。

むしろ日本の企業に足りないのは、こうしたグローバル化による国際分業の徹底だ。アップルが高い利益を上げているのは、ハードウェアの生産をすべて中国で行ない、本社は研究開発に特化しているからだ。他方、ソニーは国内に工場をもっているため、ハードウェアが割高になるばかりでなく、開発部門と製造部門の利害の不一致で中途半端な製品になり、不採算の製品を切り捨てることができない。空洞化の場合は本社が残るが、グローバル競争に負けると企業がまるごとなくなってしまう。

生産拠点がグローバル化しても、本社部門が国内にあれば利潤が還流してGDPは上がる。だから政府ができる有効な対策としては、法人税の廃止がある。復興特区で新設企業の法人税を時限的に免除するのは、重要な前進である。雇用を守るためには、新興国と競合する製造業に張り付いている労働人口をサービス業に移転する労働市場の改革も必要だ。農産物の高コストや食品の過剰な規制が流通・外食産業の生産性を低下させているので、TPPはこうした改革を促進する上でも重要である。



東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏は、「国は永遠に続くので、借金が永遠に続いても何も問題はない。」と以下のように解説しています。


国は永遠に続くので国の借金が永遠に続いても問題ないの声
2012.02.01 NEWSポストセブン

財政再建とは何か。この肝心な点が実はよく理解されていない。政府は「借金が1000兆円を超える(2012年度末で国債と借入金などを合わせて1085兆円)」などと宣伝しているが、本当のところはどうなのか。東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が解説する。

* * *

通常国会が1月24日に始まった。焦点は消費税引き上げだ。野田佳彦政権は「増税分を全額、社会保障に充てる」と従来の説明を修正した。これまでは一部に社会保障以外の分も含まれていたのである。

カネに色はついていない。借金で賄っていた分が増税で賄えるようになれば、その分の借金が減る。それなら増税の目的は財政再建と説明してもいいはずだ。そう言わず社会保障を持ち出すのは「その方が国民の納得を得やすい」という計算があるからだ。

実際、安住淳財務相は遊説で訪れた宮城県仙台市で河北新報のインタビューに答えて「消費税で社会保障費を賄えれば財政再建の大きな一歩にもなる」と語っている(1月22日付同紙)。増税目的を簡単に変えるのは、いかにも小手先の印象がある。

財政再建とは何か。この肝心な点が実はよく理解されていない。政府は「借金が1000兆円を超える(2012年度末で国債と借入金などを合わせて1085兆円)」などと宣伝している。

よくある誤解は「どうやって1000兆円を返済するのか。孫の代まで借金を残すのは申し訳ない」という話だ。ところが、国の借金は全額返す必要がない。かなりの識者でも全額返済が必要と思い込んでいる人がいるが、まったくの誤解である。

財務省は国の財政を家計になぞらえて「月収40万円の家計の毎月の借金が35万円」などと危機をあおる。だが、国と家計には決定的な違いがある。住宅ローンは完済しなければならないが、国は永遠に続くので、借金が永遠に続いても何も問題はない。

問題は借金の規模なのだ。国の大きさに比べて借金が年々膨らみ続けていれば、財政は健全といえない。逆に減っていれば、健全と判断する。

国の大きさに比べた借金は、たとえば「債務残高の国内総生産(GDP)比率」で計る。日本は2011年度末で182%だ。1998年度末は110%だったから、増加傾向にあるのは間違いない。これを横ばいか減少傾向にできれば、財政再建達成である。

※週刊ポスト2012年2月10日号

 

 

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