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世界で意外に高評価
読売新聞 2007年11月23日
「最も世界に良い影響をもたらしている国は日本とカナダ」――。世界の約600のメディアが今年3月、こう報じた。英BBC放送と米メリーランド大が27か国約2万8000人を対象に行った共同世論調査で示された結果だ。
外務省が昨年2、3月に米国で行った世論調査では、「日本は経済力に見合った重要な役割を国際社会で果たしている」との答えが83%に達した。
米ネット企業「エクスペディア」が欧州のホテル関係者1万5000人を対象に今年5月に発表した調査でも、日本人が「最良の客」に選ばれた。「行儀が良いか」「おしゃれか」などの採点基準で高ポイントを獲得した結果だった。
「日本が打ち出した中東支援策は、国際社会の支援モデルだ」。英政府は9月に発表した中東経済報告書でこう評価した。
イスラエル、パレスチナ、ヨルダンにまたがるヨルダン渓谷に産業や流通の拠点を作ろうという「平和と繁栄の回廊」のことだ。この地域で国際社会は従来、国別に支援を行ってきた。これに対し、日本は、紛争にかかわる3者に「利益のためにまずは手を携えて仕事をしませんか」と提案する。ユニークな発想として評価されている。
現場で指揮する国際協力機構(JICA)の成瀬猛パレスチナ事務所長は、「日本が得意とする経済分野で平和を後押しできる」と日焼けした顔をほころばす。
海外の世論調査で日本への高い評価が最近、目立っている。その理由について、BBCとメリーランド大の共同調査を請け負ったカナダの調査機関、グローブスキャン社のダグ・ミラー社長は、〈1〉技術力の高さ〈2〉マンガなど日本のポップカルチャーの世界的な流行〈3〉海外での日本人の行儀の良さ――の3点を挙げる。
海外の高い評価に対し、日本では自国をどう見ているのだろうか。
JICAの今年3月の調査で、60%の人は、日本の国際協力について「必要最低限の事が行われている」としか考えていない。「十分に行われている」とするのは、17%にすぎない。
内閣府の「外交に関する世論調査」(2004年実施)で、「日本は外国人に正確に理解されていると思う」と答えた人はわずか10%だった。読売新聞社の「国家観」に関する世論調査(2005年)でも、65%の人が、国際社会で日本は、国力や国民の文化的水準などに見合った地位や尊敬を「得ていない」とした。
日本人の自己評価は低い。国外の好意的な目とのギャップは大きい。
その理由について、外交評論家の加瀬英明氏は、「明治以来、西洋に対し劣等感を持ち、自虐的になってきたからだ」と分析する。
タイ・タマサート大学のワリントン・ウーウォン准教授は、「反省の文化」が根底にあると見る。「成果を出しても謙遜(けんそん)し、『何か失敗があったのでは』と探る。評価されることに不慣れだ」と言う。英カーディフ大日本研究センターのクリストファー・フッド所長は、歴史認識をめぐって中、韓両国としばしばあつれきが起き、これが大きく取り上げられることから「国際イメージは悪い」と信じ込んでしまう、と解説する。
日本の評価に対する内外格差は広がっている。