「第60回
カンヌ国際映画祭」で、河瀬直美監督の作品
「
殯の森(
もがりのもり)」が最高賞に次ぐグランプリを受賞しましたね。
受賞の翌日(5月29日)にNHKハイビジョンで完全放映されました!
封切り前の映画を放映するなんて異例ですね。私、観ました

同映画祭の閉幕式でグランプリを授与された河瀬監督は
「日本人が誇りにしたい思いを込めた。カンヌ映画祭で評価されたことで、
日本が今、大切にしなければならないことを発信できた」
と語りました。そして、
「生き残った者と死者との『結び目のようなあわい(間・関係)を
描く物語』を目指した」と。
「
もがり」という言葉には、「仮」という意味が含まれていますね。
日本の古代に行なわれていた葬儀儀礼で、死者を本葬するまでの期間、
棺に遺体を仮に納めて安置し、別れを惜しむこと、
またその棺を安置する場所を指すそうです。
古代日本の葬祭儀礼。荒城(アラキ)ともいう。高貴な人の本葬をする前に、棺に死体を納めて仮に祭ることです。またはその場所のこと。遺族はある期間を仮小屋(喪屋)にて喪に籠った。それを殯といいます。
「古事記」や「日本書紀」などによると、死者を生前と同様に扱って蘇生を願いつつ、死を確認する過程兼ね、それとともに死者の霊魂を恐れ、慰める意味を持っていました。死を確認は、死体の白骨化で確認したと思われます。殯の儀礼が姿を消しはじめたのは、大化の改新以降で、薄葬令によって葬儀の簡素化がすすめられたためです。
近世以降では、風葬による白骨化を待つ風習のため死者を青竹で囲んだ殯に1〜3年安置した例があります。中世には「臨終行儀」といわれる末期に近い患者を別の小屋で経を唱えながら看病し、死を看取ったそうです。現在の通夜は伽(トギ)などとも呼ばれてますが、それはこの看取りの名残りまたは殯の数日間に短縮された形式だと考えられます。
「JA葬祭」より
奈良の奥山の村、茶畑のある風景がとっても美しく、
過剰な音響効果や台詞を排した誠実な作りです。ただし、
日本古来の「
もがり」という風習に、どれだけ現代の人々が
共感できるかという疑問は残りました。
生と死をテーマにした点が
群馬県が人口200万人を突破したことを記念して製作した
小栗康平監督の
映画「
眠る男」を思い出させました。この作品は
山から転落して以来、意識不明のまま眠りつづける男が主役です。
出演者のほとんどが地元の人というような作りは
南イタリアの貧しい漁師たちを描いた
ルキノ・ヴィスコンティ監督の
「
揺れる大地(海の神話)」を彷彿させるようなところがありました。
プロの俳優を一切使わず、シチリア島アーチ=トレッツアの漁師を起用し、
作品の現実味を出すことに成功しています。
河瀬監督の次回作は
長谷川京子さん主演のコメディータッチの作品とか。
7月からタイで撮影を開始するそうですよ。
「
殯の森」は23日から、東京をはじめ全国で順次公開。
トラ

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